丸いお耳に丸い顔。何においてもまるまるっとしたその可愛らしさに、気品溢れる優雅さも併せ持つことから、最近人気を博している「ミヌエット」。
少し前まではあまり聞かない猫種でしたが、果たして「ミヌエット」とはどんな猫なのでしょうか?
その名前の意味や、特徴と性格、罹りやすい病気についてご紹介していきます!
ミヌエット誕生まで
始まりは1996年のこと。
マンチカンとペルシャの交配によって、当初は「ナポレオン」という名前で誕生しました。
そしてその後も、ヒマラヤンやエキゾチックショートヘアとの掛け合わせなど、試行錯誤を重ねながら改良が続き、2002年にTICAに登録。2011年には予備新種となりました。
しかし足が短いことを理由に名付けられたその名前は、“フランスの英雄に対する不敬だ”という声が相次ぎ、2015年、現在の名称「ミヌエット(17~18世紀にヨーロッパで流行した舞踏)」に変更することが決定。
そのまま2016年に「ミヌエット」として正式に猫種登録されたのです。
今でも世界中でミヌエットの育種は進められていますが、その一方で、特徴が幅広く、外見で猫種を特定しにくいという理由から、新しい猫種として認めていない血統団体もあるようです。
ミヌエットの見た目は?
マンチカン由来
- がっしりした体つき
- 短い足(長い足の個体もアリ)
- カラーバリエーション豊富な毛色
- 柄も様々
ペルシャ由来
- ふわふわで上品な毛並み
- 少し離れたまん丸おめめ
- 丸みのある小柄な体型
- 低めの鼻
短毛と長毛どちらも存在します。
ミヌエットの性格は?
甘えん坊で愛情深く、人見知りすることもあまりありません。
とても社交的で順応性も高いため、小さな子どもや他の動物とも衝突することなくすぐに仲良くなれます。
足は短いけれど、実は運動は得意なほう。
好奇心旺盛で元気いっぱい遊ぶことが大好きですが、その反面穏やかでマイペースなところもあります。
ミヌエットを飼う際の注意点
基本的に短足の子が多いため、キャットタワーは低めでステップの間隔があまり広くない登りやすいものを選ぶとよいでしょう。
走ることが好きなので、猫じゃらしなどで広いお部屋を駆け回れるようにしてあげると喜びます。
ペルシャ譲りのふわふわな毛は、細く柔らかいためとても絡まりやすく、そして抜け毛も多いです。
短毛種であれば定期的なブラッシングを、長毛種であれば1日に2回程度のブラッシングを心がけましょう。
ただし、短毛種でも換毛期には多くの毛が抜けるため、春と秋は毎日ケアしてあげると安心です。
また抜け毛や絡まりを減らすには、シャンプーも有効です。
子猫のうちからお風呂に慣れさせておくと、比較的に猫のストレスも少なくお手入れできますよ。
ミヌエットが罹りやすい病気とその予防法
椎間板ヘルニア
骨と骨の間にある椎間板が飛び出してしまう腰痛の原因の一種で、加齢に伴い発症しやすくなります。
予防法としては
- 無理な運動はさせない
- 肥満にさせない
- フローリングなど滑りやすい場所をなくす
- 肉球周りの毛をカットする
など、なるべく足腰に負担をかけさせない環境づくりが大切です。
毛球症
飲み込んだ毛玉の排出がうまくいかず、そのまま体内に溜まることで胃や腸などを詰まらせてしまう病気です。
予防法としては
- ブラッシングを怠らない
- 定期的なシャンプー
- 毛玉ケアのフード
- ストレスをかけさせない
など、毛づくろいの回数を増やさせない、口に入る毛の量を減らす、または体外に出しやすくするといった方法があります。
流涙症
ミヌエットは鼻が短いため、涙が過剰に流れて出る流涙症にも注意が必要です。
予防法としては
- 毎日の目ヤニケア
- 目の周りが濡れていたら拭く
- 清潔を保つ
などがありますが、残念ながら流涙症には確実な予防法は存在しません。
炎症や異物の他に、結膜炎、角膜炎が原因の場合もあるので、目の周りが濡れていることが多い、目を気にしている、目を開きにくそうにしている、白目が赤いなどの症状があれば、迷わず動物病院に連れていきましょう。
肥大型心筋症
心筋が異常に厚くなり、その結果 血栓症、不整脈、胸水、肺水腫、心不全、突然死などを引き起こしてしまう病気です。
元々猫の中では1番多い心臓病ですが、ある特定の遺伝子変異を待つミヌエットは、特に罹患リスクが高いことが分かっています。
残念ながら予防法はありません。
症状は
- 咳
- 呼吸困難
- 失神
- チアノーゼ
などがありますが、約77%は無症状と言われています。この病気は早期発見がカギとなるため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
多発性嚢胞腎
腎臓に小さな嚢胞が沢山できることで、徐々に腎機能が低下していくペルシャ系に多い遺伝子疾患です。
残念ながら予防法はありません。
症状は
- 食欲不振
- 嘔吐
- 多飲
- 多尿
- 脱水
- 貧血
などがあり、大体3〜10歳頃までに症状があらわれ始め、時間をかけてゆっくりと進行していきます。
おわりに
とても穏やかで柔軟性のあるミヌエットは、比較的飼育しやすい猫種といえます。
今はまだ希少でなかなか見かける機会も少ないですが、その可愛らしいルックスも相まってこれからますます知名度を上げ、人気も向上していくことでしょう。