私たち人間にとって、卵は美味しくて栄養価も高く、色々な料理にも使えてとても便利な食材ですよね。
けれど猫に食べさせるのは問題ないのでしょうか?
今回は、卵の与え方やアレルギー問題、そして卵を使った手作りごはんレシピをご紹介していきます。
猫は卵を食べられる
まず結論からお伝えすると、猫に卵を与えても大丈夫です。
しかしいくつか気をつけなければならない点があります。
卵は適切に与えることができれば、猫にとっても健康的で良い補助食となるのですが、その一方でカロリー過多やアレルギーのリスクも考えなくてはなりません。
必ず適量を心がけ、生のまま与えることは避けましょう。
卵の栄養価は?
卵には多くの必須栄養素を含んでおり、特に猫にとって重要なタンパク質、必須脂肪酸、ビタミン類が豊富です。
それぞれの栄養素が猫に与える効果としては
タンパク質
タンパク質は「体をつくる材料」とよばれていて、猫の筋肉や細胞を修復する効果があります。
特に卵白には、タンパク質のもととなっているアミノ酸が豊富に含まれていて、よく動く猫や成長期の猫にはとても重要な栄養素です。
リノール酸
リノール酸は、猫の皮膚や毛の健康維持に役立ちます。
猫の体内では作ることができない必須脂肪酸のひとつです。
ビタミンA
卵黄に含まれるビタミンAは、猫の目や免疫機能の維持に必要不可欠な栄養素です。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨の健康を支える役割をはたしています。
ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ効果があります。
ビタミンB群
特にリボフラビンやビタミンB12が豊富で、エネルギー代謝や神経系の健康維持に役立ちます。
量はどのくらい与えればいい?
卵はカロリーが高いため、与える時はその量に注意しましょう。
1回に与える量の目安としては
- 体重3〜5kgの小型猫で1/4個程度
- 体重5〜7kgの中型猫で1/3個程度
- 体重7kg以上の大型猫で1/2個程度
が適量といわれていて、週に1〜2回程度に留めておきます。
卵は丸ごと与えると食べにくく、また栄養も偏ってしまうため、細かくして主食のキャットフードと組み合わせたりして、全体のカロリーや栄養バランスを考慮しながら与えるようにしましょう。
殻も食べられる!卵黄・卵白・殼の与え方
卵黄
卵黄は猫にとって非常に栄養価が高く、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸が豊富に含まれています。
与える時は加熱をし、味付けはせずに少量を細かくほぐしてあげると食べやすくなりますよ。
卵白
卵白にはアミノ酸が豊富に含まれています。
しかし生のまま与えてしまうと、アビジンという酵素がビオチン(ビタミンB7)の吸収を阻害し、ビオチン欠乏症を引き起こしてしまう可能性があります。
ビオチン欠乏症になると、皮膚炎や成長不良などの症状がでることも。
加熱をするとアビジンの影響はほとんどなくなるため、必ず加熱をし、生のまま与えないように気をつけましょう。
また、ビオチン欠乏症は、大量に摂取してしまった場合や継続的に与えていた場合に起こりやすくなる病気なので、「間違えて生のまま食べてしまった」程度なら焦る必要はありません。
卵白も卵黄と同じく、加熱をしたら、味付けはせずに少量を細かくしてから与えます。
卵の殻
卵の殻には、カルシウムが豊富に含まれています。
ただし、サルモネラ菌などのリスクを回避するため、下処理として丁寧に洗ったあと、しっかりと加熱殺菌をしておきます。
そして細かく砕いて粉末状にし、少量をキャットフードなどに混ぜて与えます。
猫も卵アレルギーになる?
猫も卵アレルギーになります。
初めて卵を与えるときは、まず少量から始め、猫の反応をよく観察しましょう。
アレルギー反応の症状は
- 皮膚のかゆみや赤み
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
などがあり、もし猫に卵を与えた後にこれらの症状が見られた場合は、すぐにかかりつけの動物病院に受診してください。
手作り卵レシピ
できれば手作りしてあげたい!チャレンジしてみたい!という飼い主さんに、卵を使った猫用手作りフードのレシピをご紹介します。
卵と鶏ささみのミニキッシュ
材料
- 卵 1/3個
- 鶏ささみ 大体30gくらい
- ほうれん草の葉 1枚
- 無脂肪ヨーグルト 小さじ1
作り方
- ほうれん草と鶏ささみを茹でる
- ほうれん草を細かく刻む
- 鶏ささみを細かくほぐす
- 卵を溶き、ほうれん草と鶏ささみ、ヨーグルトを加えて混ぜる
- 小さめの耐熱皿に流し込み、170℃に予熱したオーブンで15〜20分ほど焼く
- 冷ました後、小さく切り分けたら完成です
ここに、適切な処理をしたあとの殻の粉末を少しかけてみても良いかもしれませんね。
オーブンが面倒だな…と感じる方は、油を引かずにフライパンで焼いても◯。
そのままだとくっつきやすいので、テフロン加工のフライパンを使うか、くっつかないアルミホイルなどを敷いておくと作りやすくなりますよ。
このミニキッシュなら、猫に必要なタンパク質やビタミンを、バランス良く摂取させることができます。
おわりに
卵は猫にとっても栄養満点で、量を守って適切に与えることができれば良い補助食となることがわかりました。
ただし卵を与える際には必ず加熱をし、アレルギーのリスクを回避するために最初は少しずつ与えるようにしましょう。
卵黄、卵白、卵の殻をうまく使い分けながら、ときどき変化を楽しんでみてくださいね。