秋の味覚のひとつ。ホクホク甘くて美味しい栗ですが、猫に与えても問題はないのでしょうか?
猫が栗を好きな理由や、もしあげるならどんなことに気をつければ良いのか、そして健康にどんな影響があるのかを詳しく説明していきます。
猫に栗を与えるのは推奨されていない
猫は肉食動物なので、動物性タンパク質をメインに摂るのが理想的です。
しかし、栗は炭水化物が豊富な食べもの。
猫の体は炭水化物をあまりうまく消化できないため、ほんの少し食べる程度なら問題はありませんが、基本的に栗を与えることは推奨されていません。
食べさせることで考えられるリスクは以下の通りです。
消化不良を起こすことがある
栗にはデンプンがたくさん含まれているため、消化に負担がかかります。
猫の体は炭水化物を処理するのが苦手なので、食べた後に嘔吐や下痢、お腹が張るといった症状が出ることがあります。
肥満の原因になる
栗は意外と高カロリー。
少量でもカロリーオーバーになる可能性があります。
栗を頻繁にあげてしまうと肥満の原因になることがあり、肥満になると糖尿病や関節炎などのリスクが高まります。
アレルギー反応
皮膚がかゆくなったり、嘔吐や下痢といった症状が出ることがあります。
特に初めて与える場合は、ごく少量を慎重に与えるようにしてください。
病気の原因に
栗にはマグネシウムが含まれていますが、それを多く摂取してしまうと尿路結石などの病気を引き起こしてしまう可能性があります。
猫が栗を好きなのはなぜ?
しかし中には栗が好きな猫もいることでしょう。
なぜ好きなのか、その理由を考えてみました。
1.好奇心旺盛な性格
猫は新しいものに対してとても好奇心が強い動物です。
普段食べているキャットフードや、ウェットフードとは違う形や香り、食感が新鮮で面白く感じるのかもしれません。
2.飼い主が食べているから
猫は飼い主が食べている物に対して興味を示すことがあります。
猫にとっては、飼い主の行動が「安全」であると認識されることが多く、その結果、栗にも興味を持ったのかもしれません。
しかしこれは単に食べ物に興味を持つというよりも、“飼い主の真似をした”という理由のほうが大きいようです。
3.食感が好き
栗のホクホクした食感や柔らかさが猫にとっては新鮮で、好奇心が刺激されるのかもしれません。
猫は甘味を感じることがほとんどないため、味よりも食感が好きな可能性が高いです。
栗を与える際に気をつけるポイント
基本的には、栗は猫の健康に必要なものではないので、あげないほうがベターです。
しかしどうしても与えたい、あるいは猫が強く欲しがる場合、以下の注意点を守って与えるようにしてください。
無添加の栗を選ぶ
市販の甘栗や、調味料が加えられた栗を与えるのは絶対にやめましょう。
塩分や砂糖、油が含まれていると、猫の体に悪影響を与えます。
必ず何も加えていない茹でた栗を選びましょう。
ごく少量にする
猫に栗を与える場合は、量にも注意します。
例えば
- 3kgの猫の場合1日に最大1/8個(約2〜3g)を、週に1回以下
- 4kgの猫の場合1日に最大1/6個(約3〜4g)を、週に1回以下
- 5kgの猫の場合1日に最大1/5個(約4〜5g)を、週に1回以下
を目安とし、おやつ程度にとどめます。
与えた後は、消化不良やアレルギー反応が出ないか注意深く観察してください。
猫の体調を観察する
栗をあげた後、猫が嘔吐や下痢をする、元気がなくなる、排尿に問題があるなど、いつもと違う様子が見られたら、すぐに栗を与えるのをやめ、必要に応じて獣医師に相談するようにしてください。
おわりに
猫にとって栗はあくまでも「珍しいおやつ」であり、基本的に与えるべきではない食品です。
消化不良や肥満、尿路結石のリスクがあるため、どうしても与えたい場合はごく少量にとどめましょう。
猫の健康を守るためにも、普段は猫の栄養バランスに合った食事を心がけ、与えすぎないようにすることが大切です。