猫がそばにいるだけで、なんだか心がホッとする。そんな経験、ありませんか?
実はそれ、科学的に裏付けされた「アニマルセラピー」の一種なんです。
猫とのふれあいは、ストレスや不安を和らげ、私たちの心と体に癒しをもたらす効果があることがわかっています。
今回は、なぜ猫はこんなにも人を癒すのか、アニマルセラピーの効果について解説していきます。
なぜ猫は癒される?
なぜ猫は癒されるのか?まず1つ目のポイントは、猫の性格や行動にあります。
猫は犬と比べて独立心が強く、よく言えばマイペースですよね。
疲れているときに何も言わずにそばにいてくれる、無理に付き合わなくてもいいこの「距離感」が、ストレスを軽減してくれているのです。
次に2つ目のポイントは、猫を抱っこしたときの温かさや、その柔らかい毛並み。
この触り心地による安心感が、心の緊張を和らげてくれます。
最後に3つ目のポイントは、音。
猫のあの「ゴロゴロ音」には、不思議な力があることが研究で明らかにされているんです。
正式には「パーリング」と呼ばれていて、人間の脳や体にリラックス効果と、心拍数を安定させる効果があるのだとか。
ゴロゴロの音を聞くだけで自然と体の力が抜け、心が落ち着くようになっているのです。
猫のアニマルセラピーが与える効果
猫と一緒に過ごすことで得られる効果は以下の通り。
ストレス軽減
猫のふわふわな毛並みに触れると、心がほっとする感覚がありますよね。
これがストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、自然とリラックスさせてくれるのです。
不安な気持ちを和らげる
猫がそばにいるだけで不安感が薄れ、心が安定します。
これは特に不安障がいやパニック発作を抱える人にとって、嬉しい作用と言えます。
孤独感を取り除く
孤独感が強いと心の健康が損なわれがちですが、猫の存在が心に寄り添い、寂しさを和らげてくれます。
実際に多くの高齢者施設で猫がセラピーの一環として導入されているのは、この効果が期待されているからなのです。
血圧や心拍の安定
猫と触れ合うことで血圧が下がり、心拍数が安定するという効果も報告されています。
さらに心臓病のリスクが軽減される可能性もあるのだとか。
痛みの緩和
猫の柔らかい毛並みや温もりに触れるだけで、からだの痛みが和らぐことがあります。
アニマルセラピーで活躍する動物たち
もちろん、アニマルセラピーで活躍しているのは猫だけではありません。
他にもたくさんの動物たちが、人々に癒しを与えてくれているのです。
たとえば
犬
犬は人間とのコミュニケーションが得意で、特に対人恐怖症や鬱病の改善に効果があります。
また、視覚障がい者や聴覚障がい者の補助犬としても有名ですね。
馬
ホースセラピーとして知られる乗馬療法は、身体的リハビリに特に効果があり、筋力の向上やバランス感覚を養うのに役立ちます。
さらに馬との交流には、精神的にもリラックス効果があります。
うさぎや鳥
ウサギのふわふわした毛は触れるだけで心地よく、鳥の鳴き声や色鮮やかな姿は視覚と聴覚によい刺激を与えてくれます。
特に大きな動物が苦手な人には、うってつけのアニマルセラピーです。
アニマルセラピストになるためには?
アニマルセラピーを専門的に行う「アニマルセラピスト」になるためにはどうすればいいのでしょうか。
日本では、アニマルセラピストとしての活動には一定の資格が必要です。
たとえば、日本アニマルセラピー協会やその他の関連団体が提供する資格講座を受講し、認定を受けることで、正式なアニマルセラピストとして活動可能に。
また、猫や他の動物をセラピーに使う場合、その動物も適切なトレーニングを受ける必要があります。
特に猫は、人間と密接に触れ合う際にストレスを感じないよう、早い段階から慣れさせることが大切です。
動物行動学の基礎知識を持つことも、アニマルセラピストとしての重要なスキルとなります。
どんな人に効果的?
猫のアニマルセラピーは、特に以下のような方に効果的です。
猫と触れ合うことで、安心感を得られる、孤独感の解消、情緒の安定や社会性が育まれるなど、様々な状況の人に癒しの効果が期待できると言われています。
おわりに
猫のアニマルセラピーは、単なる「かわいい存在」以上の力を持っています。
猫の“ゴロゴロ音”、つまりパーリング音や柔らかな毛並みには、科学的に証明されたリラックス効果があり、ストレスや不安、孤独感を和らげてくれることがわかりました。
日々の生活でストレスを感じることが多い、また、心が疲れてしまったときには、積極的に猫と触れ合ってみるのはいかがでしょうか。
少しでも心が軽くなるかもしれません。