スコティッシュフォールドといえば…その丸みを帯びた愛らしい姿と独特の折れた耳が特徴的で、世界的にもとても人気のある猫種です。
しかしその反面、骨の関節や外耳炎など、猫種特有の病気などにも注意していかねばなりません。
この記事では、スコティッシュフォールドの性格や価格、かかりやすい病気について詳しく説明していきます。
スコティッシュフォールドはこうして誕生した!
スコティッシュフォールドは、1961年にスコットランドで誕生した比較的新しい猫種です。
最初のスコティッシュフォールドは、スコットランドの農場で発見された「スージー」という白い猫でした。
スージーの耳は他の猫とは違い、自然に折れ曲がっていたのです。
その特徴的な耳のかたちが話題となり、ブリーダーのウィリアム・ロス夫妻が交配を開始。
そしてスージーの子孫をもとに、現在のスコティッシュフォールドが生まれました。
名前の由来は、スコットランドから“スコティッシュ”、「折りたたまれた耳」という意味で“フォールド”です。
あの折れ耳は、実は遺伝的な突然変異によるもので、すべてのスコティッシュフォールドが必ず折れているわけではありません。
立ち耳の個体も存在していて、その場合は「スコティッシュストレート」と呼ばれることがあります。
しっかりとした折れ耳になる確率は、意外と少なく30%前後なんだとか。
どんな見た目?
スコティッシュフォールドの最大の特徴は、その折れた耳。
この折れ耳により顔全体が丸く感じ、まるでぬいぐるみのようにみえるのです。
耳の角度は、完全に折れているものから少しだけ垂れているものまで、それぞれ個体によって違いがあります。
顔の輪郭はまるく、頬がふっくらしているため、全体的に「ふわふわ」「もこもこ」とした可愛らしさが魅力的です。
また、体も全体的に丸みを帯びていますが、実は意外と筋肉質な体つきをしているんです。
体重は女の子なら3〜5kgくらい、男の子なら3〜6kgくらいが平均になります。
短毛種と長毛種の両パターンあり、毛色のバリエーションも豊か。
ホワイト、ブラック、グレー、タビー、トーティシェルなど、いろいろなカラーやパターンがあります。
どんな性格?
スコティッシュフォールドの性格は、穏やかで愛情深いといわれています。
とても人懐っこく甘えん坊なため、ほかのペットや子どもとも仲良くする傾向があります。
けれど自立心もあるので、ひとりで静かに過ごす時間も大切にしています。
比較的おとなしい性格ですが、その反面好奇心旺盛な一面も持ち合わせていて、新しい環境や物事にも興味を示したり、遊び好きなところもあります。
たくさん甘えて欲しい飼い主さんや、賑やかな家庭におすすめの猫です。
寿命と罹りやすい病気
スコティッシュフォールドの寿命は10年から13年と、一般的な猫に比べると少し短めです。
しかし定期的な健康診断や、日頃のケアを気をつけることで長生きすることももちろん不可能ではありません。
この猫種は遺伝的な問題が多く指摘されていて、なかでも注意すべきなのは「骨軟骨異形成」という病気です。
そもそもスコティッシュフォールドの耳が折れているのは、軟骨の異常からです。
そのため両親ともに折れ耳の場合、ほぼ100%骨軟骨異形成になると言われているのです。
骨軟骨異形成になると骨や関節が変形し、痛みや歩行障害を引き起こすことがあります。
遺伝子疾患なため予防するのは困難で、また治療法もないため、鎮痛剤や消炎剤などを使った対処療法が中心になります。
ほかにも肥大性心筋症や多発性嚢胞腎、折れ耳による蒸れなどからくる外耳炎も多く報告されています。
いずれも早期に発見することで適切な治療や対策がとれるため
- 定期的に健康診断をうける
- 猫の様子をこまめに観察する
- 過度な運動は避ける
- 太りすぎないように体重管理
などを心がけてみてください。
価格は?
スコティッシュフォールドの価格は、折れ耳の有無や毛色、血統によって大きく異なります。
価格の目安としては20万~40万円が一般的ですが、折れ耳の個体、希少カラーの個体、血統の良い個体は50万円以上と高額になることも。
スコティッシュフォールドを迎える際には、遺伝子的疾患のリスクを最小限に抑えるため、適切な健康管理や検査が行われている、信頼できるブリーダーから購入するようにしましょう。
おわりに
スコティッシュフォールドは、その愛らしい見た目と穏やかな性格から、長年人気ランキングの上位に君臨するほどたくさんの人たちに愛されています。
しかしその一方で、遺伝子的な健康問題を多く抱えている猫種でもあります。
折れた耳はとても可愛らしい特徴のひとつですが、両親共に折れ耳の個体はほぼ100%骨軟骨異形成を発症するなど、骨や関節に影響を与える遺伝子が密に関与しているため、とくに折れ耳のスコティッシュフォールドを迎える際には十分な心の準備とマメなケアが必要不可欠です。
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